***お喋りの宿***


人は、誰でも生まれた時から、死ぬまでは、一本の道を歩くことになります。

その道は、誰もが自分で選んで進む道です。

その道が、幸せの道なのか、不幸せの道なのかは、歩く前には分かりません。

歩いた後に残るものが、その人の運命とでも申しましょうか?

すべてが、結果論に終わります。

事故への遭遇などは、典型的なもので、避けようとしても避けられません。

時間のすれ違い、判断の誤りが大きな災いになることもあります。

人生街道は、危険な道にも思われ、みかたを変えれば歓楽の道かもしれません。

人生の時間は止まることなく、ただひたすらに時を刻みます。

時間のある限り、その道を歩かなければなりません。

時によって、時間は短くもなり長くもなります。

人が、時間を長くしたり、短くしたり操作するのです。

人生の成り行き街道を通ると、心の窓に風が吹きます。

その風は、5行の法則に導かれます。

5行とは?

酒田5行は、風林火山?

火・水・木・金・土

これに、月と日が加わると一週間が形成されます。

ならば、5行を動かすのは、月と日?

得に、月の満ち引きは、永遠の謎かもしれません。

日が月を支配し、5行に守まれ、地球は果てしない旅を続けます。

そして、地球上の生命体は、その支配から抜け出ることは出来ません。

人は、5行に逆らえば、しあわせの道を阻害されます。

では、どうすれば良いのか?

未来から、過去を辿る。

未来と過去の珍道中。

それは成り行き街道の道しるべであるかもしれません。

風の音。

この風は なんだろう?

風が 身体のあちこちに あたる

今まで感じなかったのに

今日の風は どうしたことか

今まで 心の窓を閉めていたのか?

こんな 清々しい風は初めてだ

風が ふさんだ心を吹き飛ばす

なぜ なぜ なぜなのか?

見える世界は 別世界

生まれて初めて見る景色

これは 夢でも見ているのか?

これが現実なのか?

では 今までは なんだったのか

分からない 分からない

過去が消えてしまったのか?

人生街道に咲いた大輪の花。

長いようで、短い人生。

山登りのようでもあり、川下りのようでもあり。

未知なる道も、あと僅か。

煩わしいとも、麗しいとも想われ。

幻想の中に、幻が蠢く。

数々の出会いは、行く道に新枝を創作し。

そして、芽吹く葉は、その枝を着飾り。

やがて、人生の畦道は、新緑に包まれる。

こんな時、そんな時。

大輪の花が、華麗に咲き乱れる。

これは、一生の春でもある。

春は、まだ遠い。

さつきの銘木は、春を待つ。

葉隠れの術は、多種多様である。

そして、心の中の窓は?

未知への期待に、そそのかされて生きる屍と化す。

そして、悲しい性の遠吠えは、ここかしこに木魂する。

仕事をしていても、遊んでいても、押し寄せる暗黒の波は、心の隅々に押し寄せる。

社会情勢の動乱の中で、高度成長に踊りバブルに弾け、気がつけば、ただひたすらに生き、その生き様は走馬灯に映しだされ心の闇に閉ざされる。

その結果、あてどもなく死への旅路をしている自分の存在が浮き彫りされる。

若さを失った心の中の窓を、今一度見詰直して、閉ざされた心の中の窓を開こう。

♪♪♪窓を開ければぁ〜灯かりが見えるぅ〜恋愛波止場の灯が見えるぅ〜

花を召しませ ランララン 愛の紅ばら 恋の花 燃ゆる想いの囁きは。

開いた窓に、心の囁きが。

心の中の囁きは、ばら色の花。

そう、それが成り行き街道に咲く花である。

かくして、成り行き街道は一面の花畑に覆われる。

成り行き街道は、永遠の若さの泉である。

母は来ました。今日も来た。届かぬ願いと知りながら。

今日も来てしまいました。

空にゃ 今日も カモメさん。

さだめし、おうちじゃあ、今ごろは。

食事の準備で、お忙しい。

と。思っていたのですが。

あぁ、それなのに、それなのに。

カモメは舞う。舞扇。

三味と踊りは、習いもするが。

習わなくても、カモメは鳴ける。

辛い浮世の下町育ち。

何時も群れ飛ぶカモメさえ、とうに忘れていたものを。

仲間から離れて、ひっそりと、波止場に寄り添う。

今夜も汽笛が、一声。

波の向こうに遠ざかる。

ボーとした心は、波間にうねる。

波々ならぬ苦労の渦は、消えても消えても心の奥に幻となって現れる。

「浮世絵に 映える昔の 面影は 流され消え行く 心の傷かも」

「カモメ舞い 潮の匂いの 満ち引きは 人それぞれの 想いの欠片に」 

昔々、あるところに、宝ヶ池と言う話の泉がありました。

それはそれは人里離れた山奥で、ポッカリ浮かんだ小さなススキ野の一角に。

ある時は豊富な水に支えられ、ある時は、渇水により姿を消し。

神出鬼没な、この池には月夜の晩にポンポコ狸が踊りだし水浴びをしていました。

その泉の水は誰言うとなく、不老長寿の水だと言い伝えられておりました。

そんな水を飲みたいと、若者達は、我先にと駆けつけました。

しかし、行けども行けども、そこに辿り着けない。

もし、そこに偶然にも巡り合うことが出来たら。

そして、その水を飲むことが出来たなら。

「話の泉」が不老長寿?

はてはて、わからん。


人里離れた山奥は ポンポコ狸の龍宮城

会社勤めの一日も 夕陽とともに自由の身

白いお腹も 涼しげに わっしょいわっしょい 水浴びだ

不老長寿の水浴びだ

お肌に優しい水浴びだ

ここは どこどこ どこかいな

宝ヶ池の水浴びだ

今日は 何日 何夜かな

十三ななつは まだ若い

若いお肌は つんつるつん

夜空に 輝く お月さま

月肌 餅肌 うさぎ肌

白い お肌は お腹だけ

お腹は 泉で 満腹だ

何処かで 狐が呼んでいる

コンコン狐が呼んでいる

龍宮城にピッタリの

コンコン狐が呼んでいる

今日は駄目駄目駄目だって

宝ヶ池の水浴びだ

不老長寿の水浴びだ